目次
キャンピングカーのタイヤを『13万円→4万円』に変更した結果
1年間のタイヤ金額が 約13万→約4万になりました!
何のタイヤを使っていたか、何のタイヤに変更したか、
使って1年間走行してみた結果を徹底解説します!
キャンピングカーのタイヤ、みなさんどうしていますか?
我が家は中古キャンピングカーで日常生活を暮らし、毎日旅するスタイルです。
そして中古キャンピングカー購入から3年、タイヤは1年間で履き潰してしまう為、3種類のタイヤを装着して比較するキッカケがありましたので、実走した乗り心地や季節ごとに気をつけていることなどをご紹介していきます。
※ノーマルタイヤは冬前にスタッドレスに交換し、。スタッドレスは冬の終わりにはプラットホームが出て冬タイヤの寿命を迎えそのまま履き潰し、翌年の11月頃に新品のスタッドレスタイヤに交換している状況での感想です。
尚、当記事はキャンピングカーに乗り始めて3年間、無事故無違反スピード超過をしていない運転によって安全に乗れているものであって、車両の性能を考慮していることを大前提とし紹介をすすめていきます。
キャンピングカーのタイヤにこだわる理由
私達は家を断捨離して、キャンピングカーで日本一周をしています。
365日毎日、日本のどこかで朝をむかえる私たちは「移動型バンライファー」と呼ばれ、その名の通り移動しながらバンライフをしています。
(※現在コロナの影響で旅は中断中)
ということで家を断捨離して1年分の生活に必要な荷物をキャンピングカーに積載して、防災意識の高さからそれなりに食料備蓄をして、そんな車体で毎日キャンピングカーを走らせています。
私達の家・中古キャンピングカーは、旅先で故障や事故に遭ってしまった場合、修理期間中住む場所がないので、絶対に故障や事故は避けたいという気持ちが人一倍強いです。
ましてタイヤバーストなどが原因での横転、強風にあおられての横転、スピード超過が原因での横転等、修理で済まない状態は絶対避けねばならないと思い、常に「低速走行」「急のつく動作はしない」等を徹底しています。
「低速走行」は風が強い日の走行は、特に風を受けやすい橋の上や道路によっては法定速度以下での走行をしたり(この際、後続車には道を譲っています)、「急ブレーキ」を踏まなくて良いように、こまめにシフトチェンジやオーバードライブカットをおこなったりしています。
さて、これだけ意識を高くしていても心配なのがタイヤです。
タイヤはキャンピングカー(動く家)が稼働する元なので、日本一周を始める前にキャンピングカーの生みの親であるビルダーさんに、キャンピングカーの使用頻度・使用目的・稼働頻度・予想荷物量を伝えて「現状のタイヤで安全なのか」と相談しました。
なぜ相談する運びになったかというと、そもそも中古販売時のタイヤは、ビルダー販売時に標準装着されているタイヤでした。
このタイヤは、はたして私達のバンライフのスタイルにあったタイヤなのか、とても心配でした。
なぜなら、キャンピングカーの事故は大事故に繋がりやすいと考えているからです。
そしてキャンピングカーは“普通”、毎日乗る物ではないから、という前提の元作られているハズだと思ったからです。
実際にキャンピングカー生活2年半経った頃、かなりの不具合が多発しました。
ビルダー持ち込みをして修理相談をした際に言われた言葉は「これだけ毎日使うことを想定して作ってはいないからね…」と申し訳なさそうに言われました。
そりゃそーだ(笑)と、笑うばかりでした。
キャンピングカーの車両重量を知る
ここで気になったのが定格車両総重量です。
うちのキャンピングカーはトヨタのカムロードというベース車両で、定格車両総重量は約3,400kgと言われています。
これは荷室部分(シェル)、燃料、設備、荷物、タイヤの重さ等を含めた、車両全体の体重が約3,400kgを超えてはいけない、ということです。
じゃあ実際のうちのキャンピングカーの重量は?ということで、体重測定することに。
その結果
右前輪 674kg
左前輪 682kg
右後輪 788kg
左後輪 784kg
合計(荷物をMAX積んで、人も乗った状態で)2928㎏
と判明しました。
キャンピングカーのタイヤ交換はどうしよう?
次にどうしても都合がつかなかったのが、タイヤの保管場所です。
タイヤを保管しておく家はないので、タイヤ専門店で保管と交換をお願いしようと考えました。なので全国展開されているタイヤ専門店に相談したところ、預けた店舗でないと出庫できないということが判明しました。
しかし移動型バンライファーの私達ははたして翌年のタイヤ交換のタイミングに、この地を再訪しているか…いや、いないでしょう。
ここで行き詰まり、タイヤ交換をしなくて済む方法がないか、タイヤの専門知識とキャンピングカーの車体に詳しい、現役の専門家に相談することにしました。
その結果、スタッドレスタイヤを通年履き、1年で履きつぶす、というアドバイスを受けました。
スタッドレスタイヤは、スタッドレス効果のある溝(プラットフォーム新品時の50%で冬タイヤとしての使用禁止)がなくなっても、ただのノーマルタイヤとして走行できるということです。
そしてプラットフォームが露出語スリップサイン(残溝1.6mm)が出るまでは、ノーマルタイヤとして使えるとのことでした。
(LT(ライトトラック)タイヤの場合「高速道路での使用」は残り溝2.4mmになります(自整第261号、自車第903号、自安第179号)
ただしここで注意しなければならないのが、ノーマルタイヤと異なりスタッドレスタイヤは、ゴムは柔らかく、溝は深いという点です。
なので雨天時などの道路が濡れている時は止まりにくい特性があるので、走行速度には気をつけなければなりません。
なぜスタッドレスタイヤは溝が深いのに雨に弱いか?
冬になると雪による道路の凍結が怖いですよね。
なぜ雪や氷でクルマが滑るか知っていますか?
その原因は、雪や氷ではなく水。
クルマの荷重が掛かることで雪や氷が瞬間的に溶けるため、雪や氷とタイヤとの間にできた水膜によって滑るのが原因なのです。
スタッドレスタイヤを装着するとその水をゴムで吸ったり、弾き飛ばしたりするので滑りにくくなります。
身近な例でいうと、冷凍庫から取り出した瞬間はしっかりつかめた氷も、ほんの少し溶け出すとすぐに手から滑り落ちてしまいます。
氷を机の上に置いた場合でも同じですよね。
スタッドレスタイヤが吸える水分は、あくまでミクロン単位でのお話。
雨のようなミリ単位の水の量は多すぎるため、瞬時に吸いきれなません。
さらに、雪や氷の上でも硬くならない柔らかいゴムを使っているため、タイヤと路面との間にある水を弾き飛ばす力が弱く、濡れた路面ではグリップ力を発揮できません。
路面とタイヤとの間にある水膜(水分量)が多くなるため、タイヤの溝が減ったときに起こるハイドロプレーニング現象が起きやすくなるという訳です。
細かいサイプ(毛細管現象で水を吸い上げる溝)が仇となり、タイヤの溝が路面の水を排除しきれなくなりクルマが水の上を滑るようになることで、ブレーキやハンドルが効かなくなる現象のことのです。又進行方向に太い溝が無いのも排水の遅れに通じます。
なおスタッドレスタイヤのほうがノーマルタイヤより溝が深いのでは?と思われるかもしれませんが、これは雪道用です。
濡れた路面ではこれらの溝はほとんど役に立ちません。
むしろ柔らかいゴムを使っているため吸水性があり、雨の日には水分を多く含んでしまいます。
そのため、タイヤと路面との間に水膜をつくりやすく、結果的に滑りやすくなるのです。これが、いちばんのウイークポイントだったりしますので、「スタッドレスタイヤ=雨に弱い」と言い切っても過言ではありません。
「スノータイヤとスタッドレスのタイヤ幅」の考え方
だから我が家では通年通して癖つけるために「急」がつくブレーキはしないようにしています。
そのためには、止まれる速度での走行が大切です。
こういう経緯があって、うちでは冬がくる前にスタッドレスタイヤに履き替え、次の冬まで履きつぶし、翌冬前に新しいタイヤに交換するという、タイヤの保管が必要ないタイヤ交換のスタイルを取り入れることにしました。
(ここでは、タイヤによる燃費差の問題には触れません)
キャンピングカーのタイヤ比較
中古購入時、旅が始まるまでの約3ヶ月程は、ビルダーが標準装着しているノーマルサイズのノーマルタイヤで走行していて一番感じたのが、風にあおられるという、車高が高いキャンピングカーのデメリットでした。
例えば高速道路の走行車線を走っていて、追い越し車線のトラックに追い抜かれるたびにもろに風圧を感じていました。追い越し車線から左フロント側に押し出されるような、そんな感覚です。
これは後々恐い思いにつながると思い、旅が始まる前にタイヤを交換することになりました。
ここからは3種類のタイヤを実際に体感したレビューをしていきます。
購入時のタイヤ以外は、1年間で履き潰しスタイルです。
①『ブリヂストン』ノーマルタイヤ
これは中古購入時に装着されていたタイヤです。
195/70R15 106(シングルタイヤ)/104(ダブルタイヤ)L LT(LIGHT TRUCK)(タイヤ硬度65~70)
タイヤ空気圧5.5kPa
(※106/104L=負荷能力950/900kg、L=最高速度120km/h)右前674Kg(276Kgの余裕)左前682Kg(268Kgの余裕)右後輪788Kg(162Kgの余裕)左後輪784kg(166Kgの余裕)
1本あたりのタイヤの負荷能力から、タイヤ4本にした時の負荷能力を計算すると、最低3,800kgになります。
走行時の体感
・轍(ワダチ)でハンドルを取られる
・追い抜かされるときに風圧を感じる
・心もとない感じ
雪道の体感
記録なし
夏の体感
特に気をつけて運転することはなかった
雨の日の体感
特に気をつけて運転することはなかった
②『ブリヂストン/ブリザック』スタッドレスタイヤ
これは旅を始める前に交換したタイヤです。
215/65/R15 110/108L LT(タイヤ硬度49~55)
タイヤ空気圧5.8kPa
110/108L=負荷能力1060/1000kgということ?
L=最高速度120km/hということ?
1本あたりのタイヤの負荷能力から、タイヤ4本にした時の負荷能力を計算すると、最低4,240kgになります。
走行時の体感
・追い抜かされる時に風のあおりを感じにくくなった
・空気圧が高い分、デコボコ道では車両が跳ねやすい(乗っていてポンポンお尻が跳ねる感じ)
雪道の体感
・不安ななく、不自由なく走れる
・ただしベース車が2,000cc2駆とパワーが弱いので、必要に応じてタヤチェーンを多様した
夏の体感
・高温時期は日中の路面温度が高い時にあまり長距離を走らない、適度に休憩を取る(人は観光地にて観光、タイヤは休ませる、駐車場の日陰に停める)等していれば、不安を感じず走れていた
雨の日の体感
・速度を抑え、信号や道路状況によってはオーバードライブカットを使いブレーキを強く踏むことをしない
・下り坂の先にある信号では特に上記を徹底して、不安なく走れていた
③『ナンカン』スタッドレスタイヤ
これが現在装着していて、今後も愛用するであろうタイヤです。
215/70R15C 109/107Q M+S(マッド&スノー)アメリカ規格DTO、ヨーロッパ規格シビアサービスエンブレム取得(タイヤ硬度47~55)
タイヤ空気圧4.3kPa
109/107Q=負荷能力1030/975kgということ?
Q=最高速度160km/hということ?
1本あたりのタイヤの負荷能力から、タイヤ4本にした時の負荷能力を計算すると、最低3,900kgになります。
①、②のタイヤよりも最高速度が高いですが、タイヤの能力に合せて速度を上げることはせず、今まで通りの運転をしています。
走行時の体感
・タイヤの空気圧が低いのを体で感じるほど、クッションが柔らかい感覚
・デコボコ道でもはねない
・今まで空気圧が高いタイヤに乗っていたので、柔らかい体感に慣れるまでは酔い気味になった(普通はクッション性が高いほうが安定して酔いにくいですが、毎日の慣れがあったので、私は酔い気味になりました)
雪道の体感
・グングン走る
・前回のタイヤよりも、タイヤの幅(雪道との設置面積)を大きく感じる
・乗っていて安定性を感じる
夏の体感
・安定して、揺れない
・日陰に停車する等は相変わらず続けていて、特に不安なし
雨の日の体感
・今まで通り「急」がつく運転を避けているので、不安に思うことはない
うちのタイヤへのこだわりポイントおさらい
①風にあおられにくいか
②1年分の荷物を積載しても耐えられるか
③晴れの日も雨の日も雪の日も安心して乗れるか
④年間走行距離約3万kmに耐えられるか(=通年のバンライフに耐えられるか)
キャンピングカーのタイヤを安価な物に変更して
いかがだったでしょうか。
特にタイヤは物によって高額になり負担も大きくなるので、使用頻度、積載物量によってタイヤを替えてみても良いかもしれませんね。
1年間で履き潰すと言う条件下でプラットホームが出た後は夏タイヤとしての使用が認められていますが文中にもある通り制動距離は伸びます。
「参考文献」
スタッドレスタイヤは夏や雨の日でも使っていいの?|チューリッヒ (zurich.co.jp)
バーストの原因には様々なものがありますが、最も多い原因は、タイヤの空気圧が低すぎる状態で高速道路などを長時間走行して起きるというものです。
輪ゴムで遊んだ経験はあるでしょうか。何度も輪ゴムを伸び縮みさせると、やがて輪ゴムのどこかに亀裂が入り、ちぎれてしまいます。
タイヤの空気圧が低いと、同じような現象がタイヤのゴムにも発生します。
タイヤの空気圧が低すぎる状態で高速走行すると、これと同じような状態が発生します。
具体的には、タイヤ側面のゴムが波打つようにたわみます。
これはバーストが発生する直前に起こるスタンディングウェーブ現象と呼ばれるもので、動画や写真を調べてみると、文字通りタイヤのゴムが波打つ様子が分かります。
検索すれば容易に見つかるため、興味をお持ちになった方はぜひ「タイヤ バースト」などの語句で画像や動画を検索してみてください。
スタンディングウェーブ現象が発生すると、タイヤが常に変形し続けるため、タイヤの側面、サイドウォールと呼ばれる部分に大きな負担がかかります。
波打っている部分は輪ゴムを伸び縮みさせるのと同じ状態になり、やがてどこかに亀裂が入り、いっきに破裂します。これがバーストです。
バーストはタイヤの空気圧が高くなって破裂する現象ですが、常温(走行前)にロードインデックスに合った空気圧さえ入って居れば、走り出しタイヤの温度が上がって空気が温められて高圧に成っても、速度記号内で走って居る限り経年劣化やタイヤに傷が無ければ簡単には起こりません。
タイヤの荷重指数だけに目が行きがちですが、タイヤの性能は速度記号によるタイヤ本来の最高速度も重要です。
ロードインデックスと速度記号 | |||||||
*1ロードインデックス早見表 | |||||||
ロード インデックス |
荷重 (kg) |
ロード インデックス |
荷重 (kg) |
ロード インデックス |
荷重 (kg) |
ロード インデックス |
荷重 (kg) |
60 | 250 | 75 | 387 | 90 | 600 | 105 | 925 |
61 | 257 | 76 | 400 | 91 | 615 | 106 | 950 |
62 | 265 | 77 | 412 | 92 | 630 | 107 | 975 |
63 | 272 | 78 | 425 | 93 | 650 | 108 | 1000 |
64 | 280 | 79 | 437 | 94 | 670 | 109 | 1030 |
65 | 290 | 80 | 450 | 95 | 690 | 110 | 1060 |
66 | 300 | 81 | 462 | 96 | 710 | 111 | 1090 |
67 | 307 | 82 | 475 | 97 | 730 | 112 | 1120 |
68 | 315 | 83 | 487 | 98 | 750 | 113 | 1150 |
69 | 325 | 84 | 500 | 99 | 775 | 114 | 1180 |
70 | 335 | 85 | 515 | 100 | 800 | 115 | 1215 |
71 | 345 | 86 | 530 | 101 | 825 | 116 | 1250 |
72 | 355 | 87 | 545 | 102 | 850 | 117 | 1280 |
73 | 365 | 88 | 560 | 103 | 875 | 118 | 1320 |
74 | 375 | 89 | 580 | 104 | 900 | 119 | 1360 |
ロードインデックスとは、規定の条件下でそのタイヤに負荷することが許される最大の質量を表す指数の事をいいます。ガソリン満タンでフル乗車時に必要とされる1本あたりの耐えられる重量と言う事です。
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ロードインデックスにより表示された質量を負荷された状態において、走行可能な最高速度を記号によって表したものです。 |